前科と前歴、逮捕歴について
まず、前科や前歴という言葉は法的な明確なものはなく、一般的に使われている言葉なため、その話の内容により定義が変わるものと認識してください。
その上で、前科とは、刑事事件により罰則を受けた場合付きます。
罰金刑であれば、罰金刑の前科、懲役刑であれば懲役刑の前科です。
一般的には、まとめて前科といいます。
前歴とは、逮捕や在宅捜査を受けた結果、不起訴、起訴猶予、嫌疑不十分となった場合、付きます。
被疑者としての取り調べの記録があるということです。
逮捕歴は逮捕された場合の歴と考えてください。
なので、逮捕されて罰金刑になった場合は、逮捕歴、前科ともに残ります。
任意同行で在宅捜査され、結果不起訴だった場合、前歴だけ残ります。
逮捕されて捜査を受けて、結果不起訴なら逮捕歴と前歴が残ります。
-前科がつくと-
前科の記録は、各市町村の犯罪人名簿に載ります。
また、警察、検察でも当然前科はわかります。
これらは捜査等の関係以外、基本的には本人含め、誰も閲覧できません。
他には一切残りません。
よって、報道などされない限り前科があるかは普通は調べてもわかりません。
ただし、前科が付くと失効したり、取れなくなる資格があります。
一部国家資格が欠格事項などある為、気になる資格がある場合、調べてみましょう。
また、警備員や金融の関連等一部の職業では前科があるとなれません。
しかし、一般的な就職においては、自分から言わない限りバレません。
もし履歴書に賞罰の欄があるのに嘘を書いた場合や、聞かれたのに嘘を行った場合は、後に経歴詐称に問われることはありますが、書く欄もなく、聞かれもしない場合は言う必要が無い為普通問題はありません。
厳密に言うと、罰金刑であれば5年で前科ではなくなり、懲役刑の執行猶予もその期間を満了したら前科もなしになる等ありますが、前科という言葉の定義が少し曖昧な為、"刑を受けた事実がある"という意味の前科であれば、一生残ります。
-前歴とは-
前歴は捜査された記録と考えれば良いと思います。
前科がつかなかった場合でも被疑者としての取調べられた記録として残ります。
警察や検察ではこの情報がわかりますが、これも捜査機関以外、調べてもわかりません。
前歴がある上で、同様の犯罪で捕まった場合等は、初めて捕まったときより重い量刑になりやすいです。
-逮捕歴とは-
そのままですが、逮捕されたという事実です。
警察等捜査機関には前歴とともに残ります。
最終的に無罪だったとしても、逮捕されていれば逮捕歴です。
これも普通は、調べてもわかりません。
ただし、逮捕された場合同時に報道されていることが多いため、特に現代ではネットに逮捕のニュースが残っていることがあります。
この場合、誰でも調べればわかってしまいます。
-海外渡航等の不都合について-
前科のところで書いたように、前科があると一部の職につけない、資格の欠格事項に当たる等あります。
逆の言い方をすると、それ以外は日本で普通の生活をしている限り、特に不都合はないとも言えます。
報道等されずに誰も知らない場合限定ですが、、、
一点、前科と逮捕歴があると大きな問題があります。
アメリカとオーストラリアに渡航する際、通常はパスポートのみで行けるのですが、申告する内容があります。
ここに、逮捕歴や犯暦を記載する事項があり、虚偽の記載をすると、入国拒否されるようです。
ちなみにアメリカはハワイやグアム等、アメリカ領全てです
実際、盗撮等軽微な罪での罰金刑等であればスルーされたとの噂もありますが、この内容に関しては全く不明なようで、どこまでが犯罪歴か等、明確にわからないようです。
犯罪者データベースが、日本とアメリカで共有されているという噂もあり、虚偽の記載をしても入国拒否で帰らされるという話もあります。
この、データの共有等が実際の所不明な為、そのままだと入国できるかもわからないとなります。
もし、仕事で行くことがあったり、結婚する際前科を隠していて、アメリカ領へ新婚旅行とかになったら、入国できるかもわからないと言う状況になってしまいます。
私の予想ですが、薬物やテロに関連した犯罪であれば完全にアウトだと思いますが、盗撮等条例違反だと、わざわざ他国にデータを渡すかな?とも思いますが、なんとも言えない部分です。
一つ方法はあり、ビザを取得すればいけます。
ただし、ビザを取得する手続きが難しいことと、時間がかかるという問題がありますが、これをクリアーするしかないでしょう。